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2023 WINTER

共に紡ぐ協働のエネルギー

1_팀보이드, 〈The Factory〉, 2021. Robotic arm, conveyor, drawing machine, PC, display, AL frames, 가변설치. 출처_ 팀보이드_.png

『The Factory』チームボイド、ロボットアーム、コンベヤー、ドローイングマシン、PC、ディスプレー、アルミニウムフレーム.可変サイズ2021年
ソウルの清潭洞(チョンダムドン)にあるワン・アンド・ジェー・ギャラリーで2022年10~11月に開かれたチームボイドの個展「Factories」の展示作品。工場の生産システムが自動化・高度化され、機械と人間の関係が変化しつつある現在の動向を反映している。
© ワン・アンド・ジェー・ギャラリー


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カジェバル(写真左)とチャン・ジェホ(張宰豪)が意気投合して結成したタシットグループ。デジタルテクノロジーに芸術的なインスピレーションを見いだし、それをマルチメディア公演、インタラクティブ・インスタレーション、コンピュータープログラミングを用いたアルゴリズムアートなどで表現するオーディオ・ビジュアル・パフォーマンスグループだ。
© ホ・ドンウク(許東旭)

多彩な背景を持つ人たちが集まってチームを作り、領域の境界を取り払いながら新しい芸術形式を目指す試みが格段に増えている。最先端技術を利用して、新しい感覚と思考を展開する現代のアーティストを紹介しよう。

タシットグループ:あいまいさが創作の原動力

タシットグループ(Tacit Group)は、オーディオ・ビジュアル・パフォーマンス・グループだ。クラシックと電子音楽を専攻したチャン・ジェホ、ポピュラー音楽と電子音楽の両面で活動していたカジェバルが2008年に結成した。同グループの主な目標は、新概念のアルゴリズムアートの実験にある。予測不可能なアルゴリズムを用いて、一定の結果にとどまらない、より新しくて革新的なシステムを生み出そうとしている。

二人は現代の技術的な環境の中に芸術的な可能性を見出し、それをマルチメディア公演、インタラクティブ・インスタレーション、アルゴリズムアートとして表現している。また、そうしたアイデアを日常のささやかな瞬間から得ている。その結果が、巨大なデジタル画面で集まっては散らばるハングル文字の群舞であり、テトリスゲームから生まれた即興曲だ。

タシットグループの結成のきっかけは?
最初は先生と教え子として出会った。キネティックアートが注目され始めた時期で、二人ともアルゴリズムアートに興味を持っていたが、当時はとても難解なジャンルだったので、自分たちだけでなく誰もが一緒に楽しめる作品を作ろうと意気投合した。

2008年に活動を始めて15年経った。長い間、タシットグループを続けられた理由は?
タシットというグループ名は、ジョン・ケージのパフォーマンス『4分33秒』から着想を得たものだ。4分33秒の間、演奏せずにその場の沈黙や雑音だけを音楽化した作品で、楽譜には長い休みを意味する音楽用語「タセット(tacet)」とだけ書かれている。20世紀に波紋を投げかけたジョン・ケージのように、私たちも21世紀にセンセーションを巻き起こそうと考えた。

オーディオビジュアル(視聴覚)アートは15年前、まだ馴染みのない言葉だった。私たちの活動について紹介するたびに、この言葉の概念から説明する必要があった。しかし、今では身近に感じる人が増えている。これまで頑張ってきた甲斐があったようで嬉しい。

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『モールス・クンクン(Morse ㅋung ㅋung)』は、ハングルの文字が音に置き換えられる作品。文字がゆがむと音もゆがむ。LED電球が2000個ずつ取り付けられた3つの大型スクリーン(166×166cm)で、文字と音が同時に作られる。タシットグループの作品は難解なアルゴリズムプログラミングによって生み出されるが、観客は気軽に公演を楽しむことができる。
タシットグループ提供

アルゴリズムアートという概念は一見難しそうだが、作品のモチーフは分かりやすくて大衆的だ。
『訓民正楽(フンミンジョンアク)』と『モールスクンクン(Morse ㅋung ㅋung)』は、ハングルが音に基づいて作られた文字だという点に着目している。ハングルは、一般的に建築的な構造を持つといわれている。ハングルがある種のシステムという意味だ。ハングルも同じシステムなので、ハングルとサウンドを組み合わせたら面白いだろうと考えた。

音楽は他のジャンルに比べて、理論よりもインスピレーションから出発することが多い。ある日突然アイデアが思い浮かぶものだ。『ゲームオバー』もそうだった。急にテトリスゲームのブロックの形が楽譜と重なって見えた。それで、テトリスをするパフォーマー、ゲームのイメージ、ブロックの高さによって電子音が変わるサウンドを制作した。

2021年にはNFT作品『CRYPTO ホルホルホル』を4200万ウォンで販売して話題になった。
それまでのハングルを利用した創作活動の延長線上にある作品だ。韓国では株価が上がったときにも「ホル!(驚きや呆れを表す感嘆詞)」、下がったときにも「ホル!」と言う。「ホル」は両方向の感情を表現できるわけだ。そうしたあらゆる感情を表すという特徴が、NFT(デジタル証明書)にぴったりだった。「ホル」はそれ一つで音になり、意味を伝える媒体であり、楽譜にもなって、音楽の素材でもある文字だ。また、形が少し崩れると図のように見える点も興味深かった。

タシットグループにとってアルゴリズムとは?
アルゴリズムアートを説明する際に、軒先につるした風鈴ほどしっくりくる言葉はない。風鈴を作る者と、風鈴を揺らして音を出す風が存在する。同様に、観客は私たちの作品のシステムを知らなくても演奏はできる。私たちの目標は、まさにそれを可能にするシステムの構築にある。誰が演奏するか、どのような音が響くのかは予測できなくても、何かが生み出されるシステムを構築したいと思っている。そのため、私たちにとっては結果よりも創作の過程の方が重要だ。

15年間活動を続けてこられた原動力は?
私たち二人の立場は全く違う。しかし、タシットグループとしては共通点がある。創作の原動力が「あいまいさ」にあるという点だ。それがいったい音楽なのか、美術なのか、あるいは全く別のものなのか…。その答えを探していく過程に意味がある。

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『ゲームオーバー』の公演。タシットグループの代表作で、テトリスゲームからインスピレーションを得た作品。演奏者がゲームを始めると画面に視覚化され、ブロックが積み重なる位置や形によって異なった音が作り出される。
タシットグループ提供

『訓民正楽(フンミンジョンアク)』
『モールス・クンクン』と同様にハングル創製の原理に基づいた作品。ハングルの子音と母音に、音を生成するアルゴリズムを組み込んでいる。


 

オプチェ:技術的環境への洞察

オプチェ(eobchae)は、2017年に誕生したオーディオ・ビジュアル・プロダクション・コレクティブ(グループ)だ。大学で出会ったキム・ナヒ、オ・チョンソク、ファン・フィで構成。三人は現代の技術的・文化的な環境をテーマに映像、ウェブアート、サウンド、パフォーマンスなどを制作している。

オプチェの主な関心事は、人のライフスタイルを規定する「デジタルプロダクト」だ。スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、AIスピーカーなど現代人の日常生活や仕事に役立つ道具を指す。しかし、少数の企業がデジタルプロダクトを独占すれば、人々の生活にも大きな影響や問題を与えかねない。そのため、オプチェは仮想のデジタルプロダクトを開発している。巨大企業と競争する偽の商品を想像して、社会現象を批評的な視点で捉えるためだ。

韓国語で「オプチェ」は「企業」を意味する普通名詞だが、三人がチームを結成したきっかけは?
キム・ナヒとオ・チョンソクは大学で出会った友達だ。学校で求められる枠から飛び出して、何か面白いことを探していたところ、ある授業でファン・フィに出会って本格的にプロジェクトを構想し始めた。その当時、美術にはある程度興味があったが、ファインアート(純粋芸術)の作品でなく実際のプロダクトを作るつもりだった。つまり、商業的なプロジェクトを進めようと考えて「オプチェ」と名付けたわけだ。でも、依頼をただ待っているわけにもいかないので、まず自分たちで面白いプロジェクトを企画してみた。三人がそれぞれ個人活動とチーム活動を並行して行っている。

結成から7年になるコレクティブだが、オプチェの目指すものとは?
三人とも技術関連業界で働いているので、自然とデジタルプロダクトに興味を持つようになった。だが実在するプロダクトではなく、現実と競う偽物を作りたかった。周りにある持ち運び用のデバイスやソーシャルメディアからも分かるように、特定のデジタルプロダクトが市場を急速に独占してしまうと、ユーザーはその環境からなかなか抜け出せなくなる。電話、SMS、決済システムなど現代人の生活全般において標準化が進められるからだ。

そこで「莫大な資金によって経営されている大手テック企業と競い、そのペースに合わせて走ってみよう」と意気投合した。でも、実際にはそうした会社に対抗できないので「偽の商品」を使う「偽のユーザー」を想像して、全く歯が立たなくても抵抗するジェスチャーくらいはしてみることにした。

現実では作動しない偽物のプロダクトを選んだ理由は?
私たちにとって最も面白いポイントは「嘘」だ。何もないのにあるように話したり、作動しないのに作動しているように見せかけたりする「ハルシネーション」を生み出す過程が楽しい。しかし最終的には、市場にフィールドを移して実際に動いている様子を見てみたい気持ちもある。

オプチェの創作活動は最先端技術と結び付いて、暗号資産、ブロックチェーン、オラクルなどをテーマにしている。だが、作品の内容は非常に根源的だ。
私たちは哲学よりも人類学や社会科学に興味を持っている。つまり何が正しいのか、あるいは何が善で悪なのかといった論題より、技術が人間をどれほど変えるのか、そして現代人がどんなコミュニケーションの手法で欲望を追い求めていくのかに関心がある。今日の技術的な環境は、もう一つの自然環境とも言える。私たちは目の前の現象だけでなく、現代人を行動させているものは何なのか、その背景を見極めようとしている。

最新技術を用いて芸術分野で活動領域を広げているオプチェにとって、芸術の意味とは?
私たちは、技術がどのようにして現実を構成するのか捉えたいと願っている。偽プロダクトは現実のまねに過ぎないが、芸術はこうしたムダな行為に有意義な時間と空間を与えてくれる。だからこそ、現実的な危険にさらされることなく、安心して活動できる。しかし、私たちの創作活動を美術の言語だけで規定したくはない。美術界において系譜に属さない創作活動でもあるので…。私たちは作品を作るというよりも、現在の技術的な環境において「最もひどい」何かを見つけるコレクティブだ。

 



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2022年の斗山(トゥサン)ギャラリーの個展で発表された映像作品『eoracle』。魅力的なグラフィック、サウンド、独自のストーリーテリングによって、新しい技術環境を鋭い視点で捉えている。
オプチェ提供

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オプチェは、キム・ナヒ(金娜希)、オ・チョンソク(呉天錫、写真右)、ファン・フィ(黄徽、写真左)で構成されたオーディオ・ビジュアル・プロダクション。互いに批評的な観点を尊重しつつ、それぞれの関心事や技術を生かして独創的な作品を発表している。キム・ナヒは現在、ニューヨークとソウルで活動している。
© ホ・ドンウク(許東旭)

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チームボイドは、ペ・ジェヒョク(裵在赫、写真左)とソン・ジュンボン(宋俊奉)が結成したメディアアートグループ。インタラクティブメディア、キネティックアート、ライトアート、ロボットなど様々な媒体を通して、システム的な観点から視覚的な経験を生み出している。
© ホ・ドンウク(許東旭)



チームボイド:バランスの取れた芸術システム

チームボイド(teamVOID)は、メディアアートグループだ。工学部で学んだペ・ジェヒョクとソン・ジュンボンが2014年に結成した。二人は技術と芸術を組み合わせたインタラクティブメディアやキネティックアートなど様々な創作活動を行っている。産業用ロボットによる演劇を演出した『ザ・マルファンクション』が代表的だ。

二人にとって最も重要なキーワードはシステムだ。一般的な属性や、それによって起こる社会現象まで全てを含むものだ。これは「関係」と「規則」と理解できる。健全な社会を実現するためには、政治、社会、文化など各分野がそれぞれ規則を守り、互いにバランスの取れた関係を築かなければならない。チームボイドも同様に、テーマ、装置、データ、ロジックなどがバランス良く構成された「芸術システム」を目指している。

二人とも工学部出身だが、芸術を始めたきっかけは?
二人とも子どもの頃から美術に関心を持っていた。ほとんどの工学部の学生は創作意欲があるものの、実際に大学に入ってみると手で何かを作る機会はとても少ない。ペ・ジェヒョクが面白い構想をしていた2014年に、学校の研究所でソン・ジュンボンに偶然会って、計画を実行に移すことにした。同じ志を持った仲間と一緒なら一人のときより良いアイデアが思い浮かぶことも多い。

「ボイド」は何もない状態を意味するが、チーム名の意味は?
「ボイド」は、基本的なプログラミング言語の一つだ。何もない非常に自由な状態を意味する。二人とも美術専攻ではないので、私たちはボイドの状態にある。それで、何もない空の所を埋めていこうという意味で名付けた。メディア技術を用いれば私たちも美術に挑戦できると考えた。

産業用ロボットを作品の材料として使っているが、ロボットの魅力は?
動くという点だ。人間でも動物でもない「客体」の動きが不思議に思えた。人間は完璧な直線を引けないが、ロボットは精巧に描けるだけでなく、24時間ずっと動き続けられる。

道具には、その時代を生きる人たちの欲望が投影されている。例えば、第2次産業革命の象徴といえるベルトコンベヤーには、大量生産への欲望が込められていた。そして、現代のシステムを代表しているのがロボットだ。今日の第4次産業革命において最も多く用いられる生産道具が、まさにロボットだろう。私たちの使っている製品は、ほとんどがロボットによって作られている。私たちは道具としての機械にとどまらず、社会を構成するシステム全体を俯瞰し、作品として表現している。

メディアアートは機械の故障や誤動作が起こりやすいので、内部の設計が肝心だと思うが?
崇高な労働の真価は、その裏に隠されていることが多い。表からは作者がつぎ込んだ努力はなかなか見えないが、裏側に作品への愛情を感じることがある。私たちは作品の裏側を見て「あの時は、こんなことを考えていたのか」とか「こんなことで悩んでいたんだ」と感慨にふけることがある。

先端技術を創作活動に取り入れているが、多くの最新技術トレンドにも敏感?
全ての技術に興味を持っていて、技術の最新動向をできるだけ見逃さないようにしている。しかし、新しい技術を創作にすぐさま取り入れることはない。私たちが表現したい内容にうまく当てはまるのかをまず考える。そのため、技術が開発されてから数年後に使うこともある。技術を取り入れることで注目を集めようとするのは危険だ。

チームボイドにとって一番重要なビジョンと原動力は?
経験とバランスだ。まず、経験は好奇心を満たすのと同じだ。今まで知らなかったことを実際に経験して好奇心を満たし、また新しい創作活動を始める上で様々なことに挑戦する推進力を与えてくれる。バランスはチームを続ける上で、現実的な問題と関係がある。私たちが10年も一緒にやってこられたのは、チームワークもあるが、創作活動と仕事のバランスが取れていたからだと思う。チームボイドが10年後も続いているためには、長期的な方向性を定めて戦略を立てることが重要だ。(敬称略)

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2015年にファッション・アイウェア・ブランド、ジェントルモンスターの弘大(ホンデ)ショールームで展示された『ザ・マルファンクション(The Malfunction)』。サングラスの工場で働いている2台のロボットが登場する演劇。自我に目覚めたロボットと本来の任務を遂行するロボットによる対立と理解を通じて、システムの誤動作に対する新しい観点を提示した。
© ジェントルモンスター

9_7-2. 팀보이드, 〈Micro Factory〉, 2022. Robotic arm, conveyor, drawing machine, PC, display, AL frames, 가변 설치.png

『Micro Factory』は、技術が引き起こす人間疎外に対するチームボイドの視点を反映した作品。機械が創作の領域にまで入り込んできた現在、人間は社会システムの中でどのような役割を果たすべきかという問いを投げかけている。
© ワン・アンド・ジェー・ギャラリー



イ・ヒョン李弦、『Art in Culture』副編集長

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