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Tales of Two Koreas

2021 SPRING

LIFE

二つの韓国 一つのコリアに 向けた
共同作業

北朝鮮出身の作家、コイと彼女のメンターでありアートセラピスト兼作家のシン・ヒョンミの展覧会『再び、南向きの家』が、2020年11月25日から30 日まで、ソウル仁寺洞トポハウスで開かれた。この展覧会は二人の作家の共同作業を通じて、脱北者の韓国定着過程と南北の相互理解、そして統一に向けた願いを、生き生きと表現したもので多くの関心を集めた。

脱北者の作家コイは自らのことを、より大きな大河で思いっきり泳ぎまわりたくて水槽から飛び出した魚に例える。「錦鯉」とよばれる鯉は小さな水槽に入れておくと5~8㎝くらいにしか育たない。しかし、池では15~25㎝、大河では90 ~120㎝まで大きくなるという。コイというニックネームは「広く自由な」韓国の地で彼女が育んでいる大きな夢を物語っている。

コイは18歳だった2008年12月に、一人で咸鏡北道清津の家を出て国境を越え、中国に到着した。彼女が危険な旅路を決心したのは、家族と共に北を脱出し韓国で暮らしていた親友の強力な勧めによるものだった。両親も彼女の意志を曲げることはできなかった。そして紆余曲折の末にタイを経て2009年3月に夢に見た韓国の地を踏むことができた。彼女は「生まれたばかりの子犬はトラの恐ろしさを知らず」ということわざのように、何も恐れずに国境を越えてきたと当時を振り返る。そして、もしもあの当時に戻ったのなら到底踏み出せないだろうと言う。

北朝鮮で高校を卒業したコイは、ソウルで美術大学に進学する夢を抱いた。アルバイトで生活費を稼ぎ、代案学校(フリースクール)の「空夢中高等学校」に通いながら大学入試の準備をした。そして2012年に弘益大学校繊維美術ファッションデザイン科に入学した。この学科の最初の脱北者入学生となった。

『シグマが抱いた朝鮮半島の地図』 2020、木製、アクリルペイント、160×100 cm 仁寺洞トポハウスで2020年11月25日から30日まで開かれた、北朝鮮出身の作家コイ氏と彼女のメンターでありアートセラビスト兼、作家シン・ヒョンミ氏の展示会『再び、南向きの家』に展示された共同作品、数列のシグマ記号からインスピレーションを得て朝鮮半島を表現した。

『ユニットハーモニ (Unit Harmony)』 2020 特殊ファブリック (繊維) 100×100cm 統一を願う人々の祈りが多くなれば、一つになった朝鮮半島を作ることができるという作家コイ氏の考えがこめられた作品だ。

偶然、または必然
入学後コイは、脱北青年クリスチャン連合会でアートセラピストをしていた作家シン・ヒョンミ(辛亨美)と出会った。シンはコイと初めて会った日のことをはっきりと覚えている。「2013年に初めて会った時、コイが非常に明るく前向きな性格であることが一目で分かりました。当時私は、キリスト教大学校監理会が脱北青少年のために支援していたグループセラピーのカウンセリングを担当していましたが、そこでコイが私の個人的な指導を強く望んでいることを知りました。その時からずっとメンターの役割をしています。コイは私が与えるすべてのことに感謝し、素直に受け入れてくれ、絶えず成長しています」。

韓国と北朝鮮出身の二人の作家が「統一」を主題に九つの作品を発表した『再び、南向きの家』は、メンターとメンティーとして続いてきた特別なつながりの結果であり、作家としてコイが世に出る初の個展でもある。統一部の南北統合文化コンテンツ創作支援事業の一環として企画されたこの個展には、二人の作家の共同作品3点と各自の作品が3点ずつが出品されている。絵画、繊維テキスタイル、設置、絵具プロジェクトなど多彩なジャンルを組み合わせた作品には、脱北者が自由と平和の中でより良い暮らしをするために、韓国にやって来る姿が描かれている。『南向きの家』は、心の中の日当たりのよい暖かな家を象徴している。

共同作業の一つである『シグマが抱いた朝鮮半島の地図』は、数列のシグマ記号Σにヒ 長い間立ち止まっていました。運動靴の中の手紙を一つ残らず読んで涙を流している方もおり、中には大きな感銘を受けたという感想を書いていかれた方もいました。私にとっても一番大切な作品です」。

彼女のもう一つの作品『ユニットハーモニー(Unit Harmony)』は、願いを書いて飛ばせばその願いが叶うという紙飛行機にヒントを得た。一つ一つのユニットは、それぞれ異なる個人の夢を象徴している。そのすべての夢が一つに合わさり、さらに大きな夢が叶うように、南北統一への祈願が高まれば一つになった半島を作ることができることを表現した。

「北にいる友人50人に安否を伝えるために、靴の中敷きに一人一人へ送る自筆の手紙をしたためました。北においてきた家族と友人に対する恋しさと統一の願いを込めました。多くの観覧客の皆さんがこの作品の前で長い間立ち止まっていました。運動靴の中の手紙を一つ残らず読んで涙を流している方もおり、中には大きな感銘を受けたという感想を書いていかれた方もいました。私にとっても一番大切な作品です」。

彼女のもう一つの作品『ユニットハーモニー(Unit Harmony)』は、願いを書いて飛ばせばその願いが叶うという紙飛行機にヒントを得た。一つ一つのユニットは、それぞれ異なる個人の夢を象徴している。そのすべての夢が一つに合わさり、さらに大きな夢が叶うように、南北統一への祈願が高まれば一つになった半島を作ることができることを表現した。

疎通と忍耐
シン・ヒョンミの作品『長距離走のトラック』は、アートセラピストとして働きながら、彼女が出会った多くの脱北者の中から記憶に残っている46人の長く辛い旅路を具現したものだ。 「私にとって長距離走は幼い頃から辛いものでした。脱北者たちが韓国に到着するまで危険な瞬間も、安堵の瞬間もあったでしょう。長距離走のトラックで感じる感情と比較すればどうかと想像して作りました」。

シンのもう一つの作品『場所』は、椅子シリーズの一つで自分の心の座を占めている相談に来た何人かの脱北者を表している。

メンターとメンティーの関係ではあるものの、二人の作家の生きてきた環境や過程が異なるため、今回の作業をしながら価値観の違いを実感したと言う。そのため疎通と配慮、忍耐が必要で「南と北の統合」に苦悩したと言いう。

コイは、予想よりもはるかに多かった観覧客が大きな勇気を与えてくれたと言う。

「新型コロナにより観覧客が低調だろうと予想していましたが、予想外にも多くの方たちが見に来てくださり驚いています。私の才能を統一のために意味あるものとして使うことができるという確信を得ました。特に一人で何かを成し遂げることよりも『韓国の作家と北朝鮮の作家が一緒に』達成したということだけで、すでに統一への最初のボタンをかけたように思えました」。

この展示はシン・ヒョンミが企画提案して推進した。2008年にソウル女子大と仁川東部教育長の共同プロジェクト「一つになるための脱北青少年芸術治療教育」が発端となって開かれた展示『南向きの家』の延長線上の展示会だ。今年の春、民主平和統一諮問会平和分かち合いギャラリーでもう一度展覧会が開かれる。

「私たちは企画段階から一度きりではなく、今後も続けていく展示にするために準備しました。今回を契機により大きな展示プロジェクトに発展させ、多くの人々が参加して疎通し、統一に向けての前向きの認識を抱いて、北朝鮮に自然と近づく懸け橋の役割をする計画です」と作家シンの説明だ。

そのすべての夢が一つに合わさり、さらにその夢が叶うように、南北統一への祈願が高まれば、一つになった半島を作ることができることを表現した。

『君と共に歩く南向き の家に向かう道』 2020、ファブリック、ハンドライティング、運動靴50足を用いたインスタレーション  作家コイが北朝鮮で履いていたのと同じ運動靴50足の中敷きに、友人一人一人に自筆の手紙を書いた作品を通して、友人たちへの思いを表現した。

アートセラビスト兼、作家シン・ヒョンミ氏(左)と彼女のメンタリングを受けている北朝鮮出身の作家コイ氏の特別な縁は、「統一」を主題とする初めての作品展『再び、南向きの家』で結実をみた。シン・ヒョンミ氏は、明るく前向きな性格のコイ氏の芸術世界が絶え間なく発展していることが嬉しいと言う。

夢に向けての歩み
コイは現在、韓国ファッション関連業界で働きながら弘益大学校ファッション大学院でファッションビジネス学の修士課程にいる。2016年にはコーロングループの後援でコモングランドで南北の青年作家9人による展示会を企画し参加した。彼女の夢は統一に備えてファッション産業と文化芸術分野に影響力を持つ専門家になることだ。

シン・ヒョンミは2004年から脱北者と深い絆を保っている。「国境なき医師団」でボランティアをしていて、一人の脱北少年と知り合ったのが契機となった。アートセラピストである彼女は、脱北者の定着を支援するハナウォンで絵を通じた心理相談を行い、彼らの心を治療し疎通してきた。アメリカのオハイオ大学で純粋美術絵画を専攻したシンはソウル女子大学校大学院で臨床美術学で修士の学位をとり、車医科学大学校臨床美術治療学の博士課程に在学中だ。脱北者が韓国社会で健康な暮らしを営めるように支援することが国家・社会的な課題だという信念で、韓国社会の多様な視覚の転換を図るためにいろいろな活動を準備中だ。

キム・ハクスン 金学淳、ジャーナリスト、高麗大学校メディア学部招聘教授
ハン・サンム 韓尙武、写真

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